■AI要約
少年サッカーにおいて、ラテラルシンキング(水平思考)は固定概念にとらわれない柔軟な発想を鍛える重要な思考法である。試合の不確定要素に対応し、独創的なプレーを生み出す力を育むため、変則ルールのミニゲームや「もし◯◯だったら?」ゲームなどのトレーニングを取り入れることで、選手の創造力と判断力を向上させることができる。
1. はじめに
サッカーは「考えるスポーツ」と言われることが多い。
しかし、単に「正解を探す」思考だけではなく、「新しい道を見つける」ことが求められる場面も多々ある。
ここで重要になるのが、ラテラルシンキング(水平思考)だ。
固定概念にとらわれない柔軟な発想は、特に成長期にある少年サッカーにおいて大きな意味を持つ。
ビジネスの世界では、ラテラルシンキングはあまり注目されておらず、
ロジカルシンキングやクリティカルシンキングといった思考法が良く用いられている印象です。
新規事業、事業戦略、営業戦略、マーケティング戦略を私自身経験してきましたが、
この思考法がある無しでは、最終的な結果で雲泥の差が出ると体感してます。
実は、一番重要な思考法では無いかと感じる程です。
本記事では、少年サッカーにおけるラテラルシンキングの重要性と、その鍛え方について解説します。
2. ラテラルシンキングとは?
ラテラルシンキングとは、エドワード・デ・ボノ博士が提唱した思考法であり、
問題解決において固定概念や既存のルールに縛られず、新しい視点やアイデアを生み出すことを目的とする。
論理的思考(ロジカルシンキング)が「既存の情報を整理し、筋道を立てて結論を導き出す」方法であるのに対し、ラテラルシンキングは「突拍子もない発想から新たな道を見つける」ことに重きを置く。
①ラテラルシンキングの特徴
・固定概念を打破する:従来の考え方にとらわれず、新しいアイデアを生み出す。
・意外性のある発想を活用する:ロジックでは導き出せないような独創的な解決策を考える。
・問題解決の幅を広げる:一つの解決策に固執せず、複数の選択肢を模索する。
②ロジカルシンキング・クリティカルシンキングとの違い
・ロジカルシンキング:論理的に物事を整理し、正しい結論を導く。
・クリティカルシンキング:情報を客観的に評価し、最も合理的な判断を行う。
・ラテラルシンキング:枠組みを超え、全く新しい発想で問題を解決する。
サッカーにおいても、既存の戦術や定石だけでなく、意外性のあるプレーや発想が勝敗を左右することが多い。
おそらく、ロジカルシンキング、クリティカルシンキングを用いた場合、
南米選手のようなドリブルやパスの発送は生まれないだろう。
だからこそ、少年サッカーの段階からこの思考法を鍛えておくことが重要となる。
3.少年サッカーにおけるラテラルシンキングの必要性
①予測不能な試合展開への対応
サッカーの試合では、予定通りに進むことの方が少ない。
相手のプレッシャーや味方の動き、ピッチコンディションなど、様々な要素が複雑に絡み合い、
瞬時の判断が求められる。科学的に見ても不確定要素が多いためシミュレーションが難しいスポーツだ。
ロジカルシンキングだけでは、想定外の状況に対処するのが難しくなる。
しかし、ラテラルシンキングを鍛えておけば、「この場面ではこうするのが普通」という発想から離れ、
「他にどんな選択肢があるか?」と考えられるようになる。
②独創的なプレーの発見
少年サッカーでは、技術的な成長とともに個性的なプレースタイルを確立することが求められる。
例えば、一般的にはゴール前ではシュートが第一選択肢となるが、
ラテラルシンキングを活用すれば、「シュートフェイントで相手をかわし、より確実な得点機を作る」
「味方にパスを出し、ゴールを決めやすい状況を作る」といった選択肢を瞬時に生み出せる。
③チーム戦術の理解と応用
監督の指示や戦術を単純に「覚える」だけではなく、「応用する」ことができる選手は試合で活躍しやすい。
例えば、2バックのチームと3バックのチームでは守備の穴が異なる。
ラテラルシンキングを身につけていれば、相手の弱点を見抜き、
意外性のあるパスや動きでチャンスを作ることが可能になる。
4.ラテラルシンキングを鍛えるトレーニング方法
どのようにして、ラテラルシンキングを鍛えられるのか?
基本的に物事に対して疑問を持ち続けることが重要だと私は考えます。
私は左利きだったので日常生活で不便なことが多かったです。
「おたまでスープを入れると何でこぼれるんだろう?」
「改札口でなんで手をクロスしてタッチしてるんだろう?」
「なんで、ハサミが切れないんだろう?」など
なので、私はサッカーもやっていたのと相まって、自然にこの力を身に着けていました。
では、少年サッカーの現場でラテラルシンキングをどのように鍛えることができるのでしょうか?
※基本的にサッカーを真面目に取り組んでいれば、少しは身に着くと思います。
①「もし◯◯だったら?」ゲーム
試合中のシチュエーションを想定し、「もし、この場面で相手DFが2人いたら?」
「もし、逆サイドにフリーの選手がいたら?」といった問いを子どもたちに投げかける。
自分で選択肢を考えさせることで、固定観念を打破するトレーニングとなる。
②変則的なルールを導入したミニゲーム
例えば、「ドリブル禁止」「ワンタッチプレーのみ」「逆足しか使えない」などのルールを設定し、
通常とは異なる状況でプレーさせる。
これにより、選手は普段考えないような新しいプレーを模索し、創造的な発想を身につけることができる。
③逆再生トレーニング
ゴールシーンを録画し、それを逆再生してみることで、
プレーの流れを「通常とは異なる視点」で見ることができる。
例えば、「なぜこの選手はここに走り込んだのか?」を逆再生で考えると、
プレーの意図をより深く理解できるようになる。
④異なるスポーツの動きを取り入れる
サッカーだけでなく、バスケットボールやハンドボールの戦術を学び、
それをサッカーに応用することで、新しいプレーのアイデアを得ることができる。
例えば、バスケットボールのスクリーンプレーは、サッカーのオフ・ザ・ボールの動きに応用できる。
FCハマでは指導中やWebミーティング中に選手達によく質問をし自由に意見を言ってもらっています。
選手(子供)の発想は本当に面白いですね!
私はラテラルシンキングが大好きなので、いつも選手の意見を聴いて、関心・驚きを感じています。
当たり前のことを言うのも大事ですが、発想の転換ができることも、ぜひ褒めてあげてください!
5.まとめ
少年サッカーにおいてラテラルシンキングを鍛えることは、試合での即興的な判断力を向上させるだけでなく、
独創的なプレーや柔軟な戦術理解にもつながる。
さらに、サッカーを超えて人生の様々な場面で役立つ能力を育むことができるラテラルシンキングは非常に重要な思考法だ。
サッカーは、不確定要素が多く、11人対11人(8対8)でのチーム戦、90分(30分)や足での協議という、
他のスポーツにはない独特な特徴を持ったスポーツです。
サッカー以外では、なかなかラテラルシンキングは身に着かないかもしれない。
それがゆえに、サッカーが単なるスポーツではなく、「考える場」なのだろう。
そして、素晴らしい選手、素晴らしい社会人になってもらい、この世界を更に良い方向へ導いてくれる
素敵な大人が増えてくれたら嬉しいなと思って日々指導をしています。
筆者紹介

FCハマ代表
水島 健人
2022年にFCハマを再始動し代表を務めている。FCムサシ一期生で、小学校6年生の時に横浜市大会で優勝。中学では、横浜F・マリノスJrユース菅田へ入団。高校では日本大学高等学校へ入学。大学では日本大学からVERDRERO港北へ移籍し社会人サッカーへ。2015年には神奈川県1部リーグで優勝。ビジネスでは、「EcoNiPass」や「BanSo」事業の事業責任者を務めている。